検証甲子園


2010年07月16日 明石公園野球場

神戸西・須磨・須磨翔風vs滝川第二

2010年夏の大会 第92回兵庫大会 2回戦



福(神戸西・須磨・須磨翔風)


折れなかった心

9回表、マウンドに立つ神戸西最後のエース・福敬登(3年)はしきりに帽子のつばに目をやった。そこにはこんな言葉が書かれている。

「一球入魂」
「りきまず、エエ球❤」
「1人で抑えたれ」
「いったれエース」 等々

 これはベンチ入りできなかった3年生が書いてくれたものだ。3年生の中には神戸西と統合した須磨の部員も含まれている。昨年まで、違う高校の部員と一緒に練習することに抵抗を抱いていた左腕も今では絆を感じている。そしてスタンドでは下級生の須磨翔風の部員も大きな声で応援。

 これまでは内気な性格だったという福はこの帽子から大きな勇気を貰い、折れそうになる心を静めた。

そして、一打同点のピンチとなった最後の場面。滝川第二の打者中井将太(3年)はファウルで4球粘っていた。勝負を決めたい8球目、福は捕手の藤原尚史(3年)が出した変化球のサインに首を振った。最も自信のある内角への直球。その信じていた渾身の球を投げ込むと、打者の中井は手が出なかった。球審の手が上がると福は大きく吠えて喜びを表した。
「最後はバテていたけど気持ちで投げました」と左腕はハニカミながら取材に応えた。
同地区の宿敵、滝川第二相手に存分に力を発揮した福敬登。神戸西須磨の校名を背負い、次も投げるつもりだ。

(文=松倉 雄太


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